お仏壇は仏様の住まいとされていますが、実際にはお仏壇そのものに魂が宿るわけではありません。(地域や寺院によって解釈が異なる場合もあります)
ただし、お仏壇の中央上部に安置される「ご本尊」には、魂入れの儀式を行ってからお祀りします。このご本尊は、各家庭で代々信仰を受け継ぎ、大切にされる対象となります。ご本尊とお位牌の関係については、「ご本尊様が上部からお位牌を見守る」という意味合いがあります。
これらを踏まえ、ご本尊を設けるかどうかはご自身でお決めいただければと思います。仏壇店や寺院としては、お仏壇本来の意義からご本尊を設けることを推奨していますが、どのように供養するかはお客様の意向次第です。当店では、お客様ご自身の判断を尊重しております。
ご本尊には大きく分けて「仏像タイプ」と「掛け軸タイプ」の2種類があります。どちらを選ぶべきか迷われる方もいらっしゃいますが、仏像も掛け軸も礼拝の対象としての役割は同じであり、どちらを選んでも問題ありません。また、宗派によっては掛け軸のみが使用される場合もありますので、それぞれの宗派の慣習に従うと良いでしょう。菩提寺がある場合は、その菩提寺の宗派に合わせてご本尊をお祀りするのが一般的です。
ご本尊を新たに迎えた場合は、必ず「魂入れ」を行う開眼供養(浄土真宗西では入仏式、浄土真宗東では御移徙)を行います。この儀式は通常、49日法要の際に併せて行われます。この儀式を通じて、ご本尊は単なる物体から尊像として祀られる存在へと変わります。このような供養の儀式を「開眼式」や「開眼供養」(他にも入魂式、魂入れ、お性根入れと呼ばれます)といい、文字通り「仏様の目を開く」ことを意味しています。