仏壇に灯すろうそくの灯りは、お線香やお花と同様に、ご先祖様や故人を供養するうえで欠かせない重要な存在です。ろうそくの火を見つめていると、不思議と心が安らぎ、穏やかな気持ちになります。
仏壇のろうそくの火は「灯明(とうみょう)」と呼ばれ、神仏に捧げる火として重要視されています。また、仏壇に置かれる2本のろうそくは、それぞれ「自灯明(じとうみょう)」と「法灯明(ほうとうみょう)」を象徴しています。
– 自灯明:自分自身を頼りにすること。
– 法灯明:真理(本当に正しいこと)を頼りにすること。
これらは仏教の開祖ブッダの遺言として伝えられており、ろうそくの灯りには、あの世とこの世をつなぐ架け橋としての役割があります。そのため、ろうそくは仏教において特に大切な供養の道具とされています。
ろうそくを供養に使う理由
・不浄や穢れを祓い、浄化する
ろうそくの火は、私たちの周囲にある不浄を浄め、お仏壇を明るく照らします。その光は、煩悩の闇を照らし、心を清らかに導いてくれます。
・あの世とこの世をつなぐ架け橋となる
ろうそくの灯りは、ご先祖様が迷うことなく現世に帰るための目印となり、私たちとご先祖様をつなぐ大切な役割を果たします。また、その灯りによって、私たちの姿をよりはっきりとご先祖様に見てもらうことができます。
ろうそくにはいくつかの種類があります。和ろうそくは、い草やこよりを芯に使い、木から採れる蝋「木蝋(もくろう)」をまとわせて作られたものです。煙が少ない、溶けた蝋が垂れにくい、火持ちが良いといった特徴があります。お仏壇や部屋が煙で汚れることが気になる方には、和ろうそくが特におすすめです。洋ろうそくは、一般的に仏壇用として広く使われています。芯に糸を使用し、蝋は石油由来のパラフィンです。価格が安価で手に入りやすい、炎が小さく風で消えやすい、煙が多めという特徴があります。掃除の手間や使用本数を考えると、和ろうそくに比べて注意が必要です。近年では、燃焼時間の短いものや、カラフルでデザイン性の高いろうそくが人気です。また、食べ物や飲み物などを模したリアルなろうそくも登場しており、故人の好きだったものをお供えする目的で選ばれることもあります。ペット供養用のろうそくもあり、幅広い選択肢があります。当店でも各種料理やお菓子を模った「好物キャンドル」が人気です。ぜひ、お気に入りのろうそくを見つけてください。